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種類3
ガラスコーティング
塗膜の変色や剥離に強く、長期に渡って安定した効果を保てる、床のガラスコーティング。価格の相場や特長、施工した方の感想をまとめました。
ガラスコーティングの特徴・価格・口コミ
ガラスコーティングは、鉛筆硬度8Hという耐久性ばつぐんのフロアコーティング。UVコーティングのような艶や光沢感に比べると控えめですが、上品な空間を演出できるのが魅力です。トータルで優れた性能を持っていますが、最新の技術を用いた施工法でまだ歴史が浅いため取り扱う業者は稀少です。まだ利用者は少ないものの、高く評価されています。
ガラスコーティングが選ばれる理由
ガラスコーティングは傷がつきにくい、汚れにくいという基本性能をおさえつつ、高い硬度を持ったコーティング法です。そのため室内飼いペットの爪のひっかき跡や、車いすのタイヤの痕跡が気になる家庭、家族が多く在宅時間が長い家庭に選ばれています。マットな質感も人気の理由のひとつです。
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- 保障年数:20年前後
業者により異なりますが20年前後が一般的です。床材は酸化によって経年変化が進みますが、ガラスコーティングは酸素を透過させないので床の酸化を防げて美しい仕上がりを長期間キープできます。また、ガラスコーティングは水をはじかないため汚れが床材に浸透するのではないかと懸念されがちですが、水よりも小さく空気よりも大きい分子構造なので、汚れの内部浸透をしっかり防いでくれます。
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- ガラスコーティングに向いている人
- 床を傷つけたくない人
ガラスコーティングの最大の特徴は耐久性です。ガラスという素材の特質のおかげで優れた強度を発揮し、ペットが走り回った爪痕・車いすのタイヤ痕・ものを落としたりぶつけたりしてつく傷跡も最大限カバーしてくれます。
- 持ち家に施工して長年使用したい人
ガラスコーティングは多少お値段が張る施工法ですが、そのぶん保障年数は20年前後とかなり長め。そのため、マイホームを購入してこれから先もずっと住み続けることが確定している人にこそぴったりです。
- 安全性にこだわりたい人
ガラスのコップを舌で舐めても健康に全く害がないのと同じように、ガラスコーティングは万が一赤ちゃんやペットが舐めてしまっても何の危険もありません。
- 水や湿気、日光での劣化から床を守りたい人
ガラスコーティングは水や湿気をしっかりと遮断してくれるため、キッチンやダイニングでの利用にも向いています。また、日光から受けるダメージも軽減してくれるので、大切なお部屋の床をいつまでもきれいに保ちたい人におすすめです。
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- 材質と施工法
最新のナノコンポジット技術を用いたハードコーティング技術を用いています。ナノコンポジットとは、素材を1~100nmに粒子化し、別の素材に練り込んで分散させることで、さまざま物質の特性を飛躍的に向上させる技術。フロアコーティングのみならず、化粧品や家電などあらゆる分野に応用されています。素材としては、無機化合物の液体ガラスを結合したものなので安全。赤ちゃんが舐めてしまっても問題なく、人にもペットにも優しい施工法と言えます。
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- 価格相場
最先端の技術を用いた施工法なので相場は30㎡あたり20万円前後とそれなりに高額です。とはいえ、赤ちゃんが舐めても安心という高品質の塗料で、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドも入っていないという点をふまえると妥当な金額だと言えます。
ガラスコーティングの性能
フロアコーティングの施工方法はいくつかの種類があり、それぞれの施工法はその強度によって分類することができます。JIS規格によると強度のレベルは柔らかい順にB、HB、F、H、2H~9Hまでの12レベルがあり、ガラスコーティングはその中でも最強の9Hから1ランク下に位置する8Hです。

ウレタンコーティングが2~3H、丈夫といわれるUVコーティングでも6H程度であることをふまえると、ガラスコーティングは数あるコーティング法の中でもトップレベルといって良いでしょう。ガラスという素材の特質上、汚れや傷に対して強い耐久性を示し、お手入れも手間を取りません。
ガラスコーティングは液状ガラスを希釈した液剤をフローリング面に塗布し、特殊な技術で硬化させて極薄のガラスの被膜をつくる施工法です。他のコーティング法ではだいたい30ミクロン~40ミクロンの厚みが出るのに対し、ガラスコーティングの厚みはわずか5ミクロン程度。この薄さのおかげで、他のコーティング法のようなペカペカと光沢のある見た目にはならず、しっとりとマットなツヤ感が出ます。
ガラスコーティングの特徴
ガラスコーティングの主な特徴や、おすすめの施工条件などについてご紹介します。
寒暖差が大きい地域におすすめ
フローリングに使われている床材によって異なるものの、多かれ少なかれ温度の影響で膨張や収縮が発生します。これらの状態が継続することで、フロアコーティングをしていてもはがれてしまう、もしくは劣化してしまうことがあります。
しかし、ガラスコーティングは数あるフロアコーティングの中で、もっとも硬度があるだけでなく耐久性も高いという特徴があります。フローリングの膨張や収縮に強いため、寒暖差の多い地域であってもコーティングのダメージを受けにくいという特徴があります。
季節による気温の変動が大きな地域だけではなく、寒冷地で夜間・早朝と昼間の気温差が大きい地域でおすすめとなります。また、外気温の寒暖の差だけではなく、冬期に暖房を使用することによって引き起こされる寒暖の差にも有効です。また、膨張や伸縮に強いということで、クッションフロアでも利用することができるとされています。
湿気の多い地域におすすめ
床材というのは、非常に大きく湿気の影響を受けます。水分を吸収してしまうと、床材が膨張してしまうことはもちろんのこと、水分を含むことで傷みやすくなってしまいます。ガラスコーティングでは、湿気に強い性質を持っているので、湿気の多い地域におすすめといえるでしょう。
また、湿気の多い地域以外であっても、戸建て住宅やマンションの1階などは、2階以上の部屋に比べると、湿気がたまりやすい傾向があります。そのため、ガラスコーティングは、このような湿気が溜まりやすい部屋のフローリングのコーティングにも向いています。
さらに、万が一水や飲み物といったものをこぼしてしまっても、水分が吸収されにくく、水拭きもできるためキッチンやダイニングなどの水を多く使用する場所のコーティングにも有効です。
UVカット効果も高いため直射日光があたる場所に最適
ガラスコーティングをすることで、フローリング上にはガラス被膜が形成されます。紫外線の遮断効果が高く、コーティングしていないフローリングに比べると、約40%の紫外線をシャットアウトする効果があります。紫外線に多くさらされてしまうと、フローリングどんどんと劣化していきます。紫外線をカットできるということは、それだけフローリングの寿命を延ばすことが可能なのです。
そのため、ガラスコーティングは日光の良くあたる部屋や、天窓がついている部屋など紫外線によるダメージを受けやすい部屋のフローリングのコーティングに最適です。
無垢材の床を利用する場合に最適
合板にはない風合いと質感を楽しむことができるオークやブラックチェリーなどの無垢材を使っているフローリングにも、ガラスコーティングはおすすめです。無垢材というのは、自然そのままということが魅力の一つであるものの、傷や汚れがつきやすい、そして合板に比べると温度や湿気の影響を大きく受けてしまいます。そのため、汚れなどによって傷みやすく、目立ちやすい、そして場合によっては反りが生じてしまうこともあります。
UVコーティングなどをすると、光沢が強くせっかくの無垢材の特徴を壊してしまう恐れがあるのですが、ガラスコーティングでは光沢の有無を選択することが可能です。そのため、無垢材の良さを壊すことなく、フローリングを守ることができます。
ペットを飼っている環境に最適
ガラスコーティングは、ペットを飼っている場合にもおすすめです。非常に硬質なフロアコーティングであるため、ペットが走り回ったとしても傷跡が残る心配がほとんどありません。そのため、フローリングがきれいな状態を長く継続させることができます。
また、耐薬品性が高く汚れに強いことから、普段の掃除や手入れが非常に簡単です。ペットを飼っていると、どうしてもフローリング上でおしっこなどをされてしまう恐れがあります。おしっこに含まれるアンモニアは、フローリングの床材の劣化を早めたり、変色させたりしてしまう恐れがあります。ガラスコーティングでは、万が一ペットに粗相されてしまったとしても、アンモニアなどからフローリングを守ることができます。さらに、ペットが床をなめても害がないため、安心してペットと暮らす環境を構築することが可能です。飼い主にもペットにも、優しいフロアコーティングといえるでしょう。
ガラスコーティングのメリット・デメリット
最先端の技術を用いた施工法なので費用は高めですが、大きな欠点がないためコストパフォーマンスは高めです。施工期間が長いことを除けば満足度の高い施工法といえそうです。
- メリット
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- ・無機化合物を使った原料なので赤ちゃんが舐めても害がない
- ・鉛筆硬度が8Hと高く傷がつきにくい
- ・耐水、耐溶剤、耐洗剤性が高い
- ・クッションフロア、Pタイル、フローリングに施工が可能
- ・長期的に性能を維持できる
- ・艶あり、艶なしの選択が可能
- ・異物の混入率が低いためトラブルが生じにくい
- デメリット
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- ・完全硬化までに日数がかかる
- ・補修後の上塗りができない
- ・熱に弱い
ガラスコーティングと塩素
ガラスコーティングは塗膜が薄く硬度が高い施工方法で、傷が付きにくい特徴があります。しかし、漂白剤などの塩素系洗剤には弱いという欠点を持つため、キッチンや洗面所など、洗剤を使用する場所にはおすすめできません。万が一、洗剤をこぼしてしまったときは、すぐに拭き取ることが大切。放置しておくと塗膜が溶けてしまうので注意しましょう。
ガラスコーティングのガラスが割れるリスク
ほかのコーティング方法が塗膜の厚さ30~40ミクロンなのに対し、ガラスコーティングは約5ミクロンと、塗膜の薄さが最大の特長です。特殊な稀釈法により弾力もあり、耐屈曲性にも優れています。密着性が高く、薄い塗膜でありながら硬度は7H~9Hと高いため、衝撃によってひび割れを起こすこともありません。
ガラスコーティングを施工した人の口コミ
実際に、ガラスコーティングの施工をした方の声を見てみましょう。施工会社のホームページ等から口コミや体験談を抜粋しました。
いくつかサンプルを比較した結果、自然な光沢が気に入ってお願いしました。仕上がりは想像以上に美しく大変満足しています。
飼い犬がおしっこをしても軽く拭き取るだけで汚れが簡単に取れて助かります。
新築のような仕上がりになり家族みんなでびっくりしました。施工は樹脂ワックスの剥離と乾燥時間で1日かかり、2日目にコーティング作業に入ったので時間はかかりましたが、それでもやってよかったと満足しています。
床の色が気に入っていたのでマットな光沢感のガラスコーティングを選びました。5年経ってもきれいなままです!
今までワックスで手入れしていましたが、水拭きするだけで簡単にお手入れできるようになり楽になりました。もっと早くやれば良かったです。
車いす移動の祖母、2歳、5歳の子どもを含む3世帯住宅を建てることになり、フロアコーティングをお願いしました。思い切ってすべての部屋にお願いしましたが、本当に傷がつかず感激しています。