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大切な住まいの床を、いつまでも美しく保つためのフロアコーティング完全ガイド。業者からサンプルを取り寄せて、集めた情報をもとにコーティングの種類や施工会社を徹底比較しました。

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レッスン6

トラブルに合わないために

施工業者が教えたくない施工にまつわる苦情やトラブルとは?施工者側の問題で起こるトラブルの原因と対策をご紹介します。

施工時の失敗

最近、日本でも人気になっているフロアコーティング。きちんとした業者に施工してもらえば、見た目がきれいになり、床をしっかりと守ってくれます。一方、経験の少ない業者や作業が雑な業者に依頼してしまうと、様々なトラブルに見舞われてしまうことも。

ここでは、業者が起こしてしまいがちな施工時のミスについて紹介していきます。

異物の混入

コーティング施行時の失敗でありがちなのが、コーティング塗膜とフローリングの間にごみやほこり、毛髪が混入してしまっている状態です。分かりやすく言うとスマートフォンの画面が割れないように守るために貼る保護フィルムとの間にほこりなどが入るようなケース。フロアコーティング自体が、床を守るために行うものなので、混入してしまうと取りにくくなってしまいます。

原因は?

塗布時にモップに付着した異物を塗りこんでしまったり、塗膜が硬化するまでの間に付着してしまったりすることもあります。フロアコーティングが完全に固まった後から異物が中に入り込んでしまうことはありません。

どのような影響がある?

ゴミなどが入ってしまうと汚れが目立ちます。また硬化不良や塗料の弾きの原因になる可能性があるので注意が必要です。

密着不良

コーティング剤とフローリングがしっかり密着していない状態です。よくあるトラブルではありますが深刻な不具合です。

原因は?

フローリングの表面に付いていたワックスや剥離に使った薬品が除去しきれていない場合に起こりやすくなります。また、コーティング剤そのものの密着度が弱いケースや、ごくまれにフローリングの性質そのものが原因でコーティング剤が密着しないこともあります。

対処法は?

ほとんどが根本的には修復できず、フローリングの原状復帰に努めます。方法としては、ガムテープなどの粘土の高いテープを使って塗膜を剥がすのですが、きれいに剥がしきるのは極めて困難です。密着不良が一部のみの場合、その箇所をふたたび塗装すれば解決するケースもあります。

フローリングの性質そのものが原因の場合は、施工方法を変えても根本的な解決にはならないため実績のある業者であれば施工前に必ず、床材と自社の塗料との相性が良いか、密着するかどうかを確認します。ところが、副業感覚でコーティングを扱っているような業者の場合はこの確認を怠ったり、フローリング材を入手するルートがなく、当日にぶっつけ本番で施工をしてしまったりするため、密着不良を起こすことがあります。こうしたトラブルを避けるためにも信頼できる業者を選びましょう。

硬化不良

コーティングの塗膜が硬化していない状態で、ベタベタしたままになってしまう不具合です。ほとんどが部分的なものになりますが、全面で塗膜が固まらないケースもあります。

原因は?

塗料そのものに問題があるケースと、湿度や気温などの環境によるものとさまざまな原因が考えられます。ガラスコーティングやシリコンコーティングといった反応硬化型という部類のコーティング剤は、塗料そのものに問題があることや、湿度や気温の問題で硬化が進まない場合があります。UVコーティングは、ほぼ不良部分の光の照射不足が原因なので簡単に解決します。

対処法は?

UVコーティングの場合は、硬化不良の部分の塗料を除去して、塗布をやり直して光を当てることで簡単に解決しますが、ガラスコーティングやシリコンコーティングの場合は修復が難しく、時間を置いて様子を見るか、すべて拭き取るしか方法がない場合もあります。様子を見る場合は、その期間は部屋を使用できない制約があり、拭き取る場合にしてもフローリングの表面を傷めずきれいに取り去ることは難しく、どちらにしても難しい選択となります。

塗りムラ

コーティングの厚みが均一でない状態をさします。

原因は?

施工スタッフの単純な技術や経験不足によって起こりやすく、コーティング剤の量が一定でないことが原因です。また、モップを動かす時に一定の速度が保たれていないと塗りムラになることもあります。床材そのものの特性で、ある特定の部分だけコーティング剤が吸い込みやすいというケースもありますが、無垢材に多くあり得ることで一般の床材では稀です。

対処法は?

塗りムラがあった場所の質感を周囲と合わせる「艶あわせ」という補修を行い目立たなくさせます。作業としては、ワックスなどの薄い樹脂を塗って光沢を増やす、または削って光沢を下げるなどして調整する作業になります。

施工から数年後に起きるトラブル

施工後すぐに発覚するトラブルよりもさらに厄介なのが何年も経ってから表れてくる不具合。その時点でクレームを入れても理由をつけて適切に対処してもらえないケースも。そう思うと、いかに信頼できる業者に依頼することが重要かよく分かりますよね。

塗膜のはがれ

コーティングした塗膜の一部分が自然に剥がれたり、テープ類などで簡単に剥がせてしまう状態です。

原因は?

フローリング剤と床材の密着不良がおもな原因です。施工直後に見つからなくても生活を始めてから不具合が発覚するケースも稀にあります。コーティングの種類によっては、施工後一定期間はテープで剥がれた場合は保証の対象外となるケースもあるため、どの範囲までが保証対象になるのかを把握しておきましょう。

対処法は?

根本的に直すのは難しく、すべて剥がしきってフロアコーティングを施す前の原状に戻す場合もあります。しかし、床の表面を傷めるリスクがあり綺麗に剥がすのは非常に困難です。

白華(はっか)

フロアコーティングの塗膜が白く変色した状態です。多くは部分的に生じますが、全面に渡り表れることもあります。

原因は?

フローリング材を塗る前にフローリングがしっかり乾いていないと白華が起こりやすいといわれています。ほかにも、湿度や水分などさまざまな要因が絡み合って起こる場合もあり、原因を特定するのは難しい不具合です。

対処法は?

白華を起こしている部分の塗膜を削り取り、薄い樹脂やワックスを用いて修繕するか、塗り直します。

黄変(おうへん)

フロアコーティングの塗膜が黄色っぽく変色した状態です。

原因は?

フローリング材の性質により、経年劣化で変色することがあると言われていますが、原因を特定するのは難しいトラブルです。白っぽいフローリングだと黄変が起こりやすいと言われていますが、単純に見え方の問題で、淡い色のフローリングの方だから変色が目立ちやすいというだけでしょう。

対処法は?

問題箇所を削り再塗装して復元するか、薄い樹脂で補修します。

艶退け(つやびけ)

一部分が著しく光沢を失っている状態です。

原因は?

施工上のミスと、日常生活のなかで起こる細かな傷によって起こる場合があります。あまりにも早い時期にこの状態になった場合は硬化不良により塗膜の硬度が低くなっている可能性が高いと言えます。硬度が高いフローリング材ほど、艶退けが起こりにくいことは確かです。

対処法は?

コンパウンドというもので磨いて光沢を出します。ホームセンター等でも購入でき、作業自体は簡単なので自分で対処してても構いません。

割れ・ひび割れ

コーティング塗膜に亀裂が入った状態です。

原因は?

コーティング剤と床材との密着不良により起こります。塗膜が硬い、厚い、床暖房の熱によって起こりやすいと言われていますが、可能性は低いでしょう。原因は施工業者の技術や経験などが影響することがあります。

対処法は?

塗膜を剥がして再塗装しますが、床材の表面を傷つけずに塗膜を除去するのは難しく、原状復帰は極めて困難です。このような不具合を起こさない、もしくは起こした時にしっかり補償してくれる会社を選びましょう。

施工時の苦情やトラブル例

スタッフの教育が不十分な業者だと、施工自体のミスだけでなく、思いもよらぬトラブルを起こすことも…。

建具や家具の破損

施工準備や施工中に、建具を汚したり家具を壊してしまったりというケースがあります。建具の破損は幅木のまわりやドアに起こりやすく、養生不足や雑な対応によって起こるケースがほとんどです。

異臭騒ぎ

施工時の臭いに近隣の住民が驚いてしまい騒動になることもあります。特に、マンションや集合住宅に既に人が住んでいる場合は、施工前の挨拶や周知を済ませておきましょう。管理人にフロアコーティングをする旨を伝えておくと安心ですね。しっかりした業者であれば、近隣住民への配慮についても具体的にアドバイスしてくれます。

トイレの無断使用

まともな業者であれば施工主の住居のトイレを無断で使用することはありません。施工する部屋や作業の上で必要となる洗面所等に立ち入る以外は、他の部屋に入ることもドアを開けることもありません。

こうしたトラブルは、迷惑をかけた会社側ではなく施主の評判を損なうことになります。業者選びの際は、実績があり信頼できる業者かどうかをしっかり確認しましょう。

クレームを入れる前に

床の様子がおかしいと感じた際、業者にクレームを入れる前に少し考える必要があります。もしかすると、不具合ではないかもしれないからです。以下の特徴に当てはまっていないか確認してみてください。

光沢・ツヤが落ちた場合

ツヤがあった床の光沢がなくなっている場合、自分たちが日々使ってきたことによるツヤの低下も考えられます。
特に生活動線と呼ばれる歩きまわることの多い部分は、どうしてもツヤが落ちやすいものです。この場合は施工の不具合や失敗ではありません。

傷がついた場合

ものを落としてしまったり引っ掛けたりして、床に傷をつけてしまうこともあります。施工後に床に傷をつけてしまった場合は、業者が保証してくれることはありません。フロアコーティングはあくまでダメージを軽減させてくれるものであり、傷をつけないようにするものではないからです。
もちろん、きちんと修理代を支払えば元通りに戻すことも可能なため、フロアコーティングの業者に相談してみるのが良いでしょう。

フロアコーティングを失敗しないために

フロアコーティングには種類がありますが、業者の質もさまざまです。そのためフロアコーティングを依頼するときは、それなりの基準を持って業者を選ぶ必要があります。ここでは業者選びの注意点をご紹介しましょう。

会社の実績や技術

業者を選ぶうえで重要なのが、あなたが満足のいく施工をしてくれるかどうかということ。たとえば、ひとつの指標になるのが施工実績です。業者のホームページを参考に、どんな施工をしているのか、実績をチェックしてみると良いでしょう。

また、実際に施工してもらったお客さんの口コミを見るのもおすすめです。業者によっては自社のホームページで、「お客様の声」を多数紹介していることもあります。自信のある業者であればたくさんの声を掲載していることでしょう。

サンプルを取り寄せる

ホームページや資料を見るだけではわからないこともあります。そこでおすすめなのが、ある程度業者を絞ったら実際にサンプルを取り寄せてみることです。

フロアコーティングの質がどれくらいのものなのかを調べられるのはもちろんですが、丁寧に資料をつけてくれたり、接客をしてくれたりするのであれば、施工も丁寧に行ってくれる業者の可能性が高いでしょう。サンプルを取り寄せれば、技術とサービスの面から業者をチェックすることができます。

費用に関するトラブルにも注意

代表的なトラブルについてご紹介しましたが、この他にも注意しておかなければならないのが費用に関することです。例えば、誰でも用意できる費用の範囲がありますよね。

「フロアコーティングにかけられる費用は10万円までだな…」と思っていた場合、10万円を超える費用が発生しないように業者側によく確認を取っておかなければなりません。

どの業者も費用のトラブルは評価の悪さに直結してしまうため、かなり慎重になっています。それでも料金体制がよくわかりにくい業者があるのも事実。説明してもらった内容や見積もりを確認しても正確に把握できていないと感じているのであれば、納得できるまできちんと説明を求めましょう。

もちろん、機能性を求めてフロアコーティングをする方がほとんどなので、安ければ安いほど良いというわけではありませんよね。重要なのは自分の用意できる費用の範囲内で最高の施工をしてもらうということ。

そのためには信頼できる業者探しも大切になってきますし、その他のトラブルにきちんと備えている業者を選ぶことも大切になってきます。フロアコーティング剤は安いものから高いものまで幅広くあるので、費用についてよく理解した上で取り組むことがトラブルを防ぐための第一歩です。

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